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北欧モダン

北欧モダン

北欧とはスカンジナビア半島周辺のスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド等の北欧諸国のことで、これらの国々で発展したデザインのスタイルを北欧モダン(スカンジナビアンモダン)と呼びます。素材を活かし機能性を重視したシンプルで飽きのこないフォルム、温もりを感じる色使いや風合いが特徴です。

北欧モダン
北欧モダンの歴史

周囲を広大な自然に囲まれた北欧地域は他のヨーロッパ諸国の中でも特に厳しい環境にあったため、産業革命後も工業化や都市化が遅れており、決して恵まれた生活環境とは言えませんでした。

人々の生活は質素ではありましたが、『自然と共に生きる』という姿勢から積極的に身の回りの自然素材を生活に取り入れ、冬は室内で過ごす時間が長いため伝統的に手工業の技術が発達しました。その中で北欧の職人達は素材の製法や加工を工夫し、高い技術水準を築き上げていきました。

20世紀初頭、世界各地で起こったモダニズム(近代主義)の波は北欧諸国にも流れ込み、手作業を大切にする北欧の伝統的な技術と融合し、フィンランドのアルヴァー・アールトやタピオ・ウィルッカラ、デンマークのコーレ・クリント、スウェーデンのグンナール・アスプルンドらをはじめとする北欧モダンの初期デザイナー達によって、合理性・機能性を持ちつつも自然素材の温かさを感じるという北欧デザインの基礎が生まれました。

その後、第二次世界大戦が始まり、経済の疲弊から慢性的な資材不足に陥っていく中、北欧のデザイナー達は古くから共存してきた自然の材料を用いた明るく合理的なデザインを生み出してゆきます。

終戦後、北欧諸国でとられた国内産業振興策をきっかけに、当時需要が拡大していたアメリカ向けの家具やインテリア製品の開発・輸出が始まりました。そうして独自の環境・文化から生まれた北欧モダンは、アメリカを中心として生まれたミッドセンチュリーモダンと互いに影響を受けながら、世界へと広がっていったのです。

スカンジナビアンモダンの歴史
デザインの特徴

北欧モダンスタイルの家具は、素材を活かした形状と明るく穏やかな使い心地が特徴と言えます。
華美な装飾を省き機能性を求めたモダニズムの影響を受けながらも、職人による手作業を大切にする北欧ならではの考え方が含まれたシンプルでいて温かいデザインです。

高緯度に位置する北欧諸国は夏が短く冬が長い、昼間が短く日差しも弱い、冬の間は雪に閉ざされる、といった厳しい自然環境のため一日の大半を家の中で家族と共に過ごすことになります。
そういった環境をもとにして生まれたスタイルなので、室内で快適に楽しく暮らすことを重視し、明るく機能的なデザインが多く生みだされました。

また、北欧では質の良いものを大切に永く使う習慣があるので、家庭で使用されている家具の多くは親から子供、孫へと受け継がれてゆきます。
そうやってゆっくりと年月を重ねることで家具の持つ魅力はより深いものへと増してゆくのです。

限られた資源の中で自然と共存してきた北欧だからこそ、美しくも温かい独特のデザインが生みだされるのかもしれません。

デザインの特徴
主なデザイナー

・Hugo Alvar Henrik Aalto(アルヴァー・アールト) ・Tapio Wirkkala(タピオ・ウィルッカラ) ・Hans Jorgensen Wegner(ハンス・J・ウェグナー) ・Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン) ・Finn Juhl(フィン・ユール) ・Bruno Mathsson(ブルーノ・マットソン) ・Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン) ・Kaare Klint(コーレ・クリント) ・Hans Bolling(ハンス・ブリング)
1940年代後半から国内産業振興策がとられたことで、アメリカへの家具の輸出が始まり、同時にアメリカ向けの家具の開発も行われました。
この時代に北欧モダンとミッドセンチュリーモダンはお互いに影響し合い、多くの共通点が生まれました。

その後、1950年代半ばからアメリカやカナダを巡回した「デザイン イン スカンジナビア展」が成功したことで、北欧モダンスタイルは世界的な注目を浴びることとなりました。

主なデザイナー